横関大の『スマイルメイカー』を読んだ。
椎間板ヘルニアで休業中は、たびたび不安に襲われて精神的にじっくりと1冊の本を読むことが出来なかった。
そのくせ、道尾秀介の「スケルトン・キー」のようなサイコパスについて書かれたノンストップの暴力描写の激しいサスペンススリラーは途中から一気読みだった。
メンタルも病んでいた?
(私の精神状態であって、作品は素晴らしいものです)
復職してからは、体力面がついていかず、数ページ読んでは挫折するという繰り返しだ。
やっと最後まで読み通すことが出来始めている。
横関大の『スマイルメイカー』も最初の3つに広がるストーリーで挫折しそうになったが、タクシードライバーと少年のロードムービー的な展開の期待で読み進んだ。
途中で、少年の父親のキャラクターに共感できず、また止まりそうになるが、居酒屋の通訳兼従業員のトムの軽妙な会話に救われ最後まで読めた。
もちろん、最後は、3つに広がっていたストーリーがすべてつながり、どんでん返しもあり、ちょっとほろりとする大団円となる。
スマイルメイカーというタイトルとおそらくペーパーバックを意識したような装丁に惹かれて手に取った。
今は、とにかく癒しが欲しい?
予想とは違っていたが、期待を裏切らない作品だった。
酒は飲めないが、あの居酒屋「日本海」で海鮮丼を食べながらトムと会話してみたいと思った。